「わが子の声が聞こえる」世田谷発のワークスペース 育休ママの正直な感想は?

nobico編集部


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保育園に入れたくてもフリーランスで難しい、育児休暇中に勉強や求職活動をしたくてもなかなかできない…

0〜3歳の未就園児を育てる親は、自分の時間を作ることが容易ではありません。

そんな親のニーズに応えるため、世田谷区は、子供の一時預かりが可能なワークスペースを5か所で運営しています。

1歳のお子さんのママであるシマザキさんは、この施設のひとつである「cobaco」を実際に利用しています。


シマザキさんに、施設の活用方法と感想を伺いました。

育休中に資格取得を目指して

――「cobaco」を利用されようと思ったきっかけを教えていただけますか?

妊娠中に保健師さんの面談で、「子供が生まれたらこういう施設も利用できますよ」と案内されたのがきっかけです。生後4か月の時に一度見学して、1歳から通院時の一時預かりなどで活用するようになりました

――現在は主にどのような用途で利用されているんでしょうか?

月6回、「ワーク預かり」という契約で利用しています。10時から15時まで1階のひろばで子供を預かってもらい、その間私は2階の別室で資格取得の勉強をしています。

今は育休中なので、保育園が決まるまでの空き時間を有効活用できたらと思い利用を始めました。

――資格試験の勉強は具体的に何を行っていますか?

期間内であれば対象の講座を何度でも受講できる、資格勉強のサブスクリプションサービスを利用しています。一度に5つの講座まで受講可能なので、複数の資格を同時に勉強しています。
今日は子育てに役立てるため、乳幼児救急救命支援員の勉強をしていました。総務の仕事を経験したこともあり、「うつ病アドバイザー」の資格試験の勉強などもしています。

――お子さんが小さいと、家での勉強は難しいですよね。

そうですね。当初は子どもが寝た後に勉強しようと思っていたのですが、家事や雑務に時間を取られてしまい、なかなか勉強の時間が作れませんでした。ここなら集中して勉強できるので、本当に助かっています。

子どもの声が聞こえることで安心して集中できた

――ワークスペース以外でcobacoを利用することはありますか?

普通のおでかけひろば(※未就園児の親子に遊び場を提供する、世田谷区の地域子育て支援拠点)としても頻繁に利用しています。子どもを遊ばせながら、他のお母さん方と雑談したり、情報交換したりしています。

大人と話せるので、親としてもリフレッシュできますし、自宅からも徒歩10分ほどと近いので、行き場がないときはよく頼りにさせていただいています。

――cobacoのようなワークスペース付きのおでかけひろばを、どんな方におすすめしたいですか?

仕事や勉強をしつつも、近い距離に子供の存在を感じられるのがcobacoの魅力だと思います。

保育園の一時預かりも検討したのですが、私が心配症なこともあり、預けた後の様子が全くわからないのがちょっと不安で。

でも、ここなら勉強をしている間も下の階から子どもの楽しそうな声が聞こえるので、安心して勉強に集中できます。子どもにとっても、家族以外の人や場所に慣れるいい機会になっていると思います。

「子どもを預ける」という経験に慣れていない方や、ハードルを感じている方にはお勧めできると思います。

――最後に、世田谷区での子育て環境について感想をお聞かせください。

私は保育園に1歳で入れず、育児休暇を延長しています。世田谷区は保育園の数が増え以前より入りやすくはなったと思うのですが、本当に自分の条件にあった園を選ぼうとすると、入園が難しい場合もあるかもしれません。

しかし、世田谷区には歩いて行ける場所に多くのおでかけひろばがあり、「今日はあそこに行ってみよう」と色々な場所を選んで利用できるので、総じて子育てしやすい環境だと感じています。

友人からも「ワークスペース付きの施設があるなんて」と羨ましがられることが多いですね。

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この後、勉強を終え1階に下りたシマザキさんを、ニコニコ顔の息子さんが出迎えていました

cobacoにはワークスペースのほかにも、子供から離れてリラックスすることが目的のラッコスペースという部屋があります。育児に追い詰められた親御さんの避難所にもなっていました。

0~3歳の小さな子どもと過ごす日々は、幸せな反面、親は自分の時間が取れず追い詰められた気持ちになることも。
身近にこういった施設がある方はぜひ上手に利用していただきたいし、全国的にも増えてほしいと感じました。

(取材・文:nobico編集部)